SPO投票に関するX-StakePoolの考え方について

カルダノは現在ヴォルテール期のガバナンスフェーズに向けて動き出しており、現在メインネットでSPOによるオンチェーン投票が開催されています!

この投票はあくまでもコミュニティ意識調査の一貫として行われ、投票の結果がプロトコルに即時反映されるものではございません。今後ヴォルテール期へ移行した際のオンチェーンガバナンスがどのように機能していくのか?という実証実験的な要素を含んでいます。

今回の投票内容

2023年第3四半期以降、どのような設定にするのが望ましいか?

  1. kを500、最低固定手数料を340 adaに維持する
  2. kを500、最低固定手数料を170 adaに半減する
  3. kを1000に増加させ、最低固定手数料を340 adaに維持する
  4. kを1000に増加させ、最低固定手数料を170 adaに半減する
  5. 棄権
  6. 上記のどれでもない
Kパラメータとは?

Kパラメータとは、プール委任量の飽和点を設定するしきい値で、特定のプールサイズが巨大化し集中化を防ぎます。現時点で「K=500」と定められており、プール飽和しきい値が約7160万ADAとなっております。

minPoolCostとは?

minPoolCostとは、プールオペレータがプール総報酬から受け取る最低報酬額を決める値です。

X-StakePoolでは様々な側面から検討し、現時点では以下の投票内容へ結論づけました。以下ではその理由をご説明させて頂きます。

X-StakePoolの投票項目

1.kを500、最低固定手数料を340 adaに維持する

目次

K=500について

Kパラメータとは、プール委任量の飽和点を設定するしきい値で、特定のプールサイズが巨大化し集中化を防ぎます。

現時点で「K=500」と定められており、プール飽和しきい値が約7160万ADAとなっております。

K=1000になると、プール飽和点は3200万ADAになり飽和点が下がるため、委任先プールが飽和している場合委任者の皆様は他のプールへ移動する手続きが必要となります。

この議論には大規模プールと小規模プールとの乖離を少なくし、更に分散化したいという意向があると思いますが、XSPとしては「2023年 Q3以降の実装」という質問に対しては、まだ早いという結論になりました。

IOGは以前のブログでK=1000にしても現在のパフォーマンスは維持できると発表しているので、いつかはK=1000へ移行したほうが望ましいと思っています。

しかし懸念事項としては、前回のK値変更の際にある程度は委任が移動した反面、大規模プールがプール分割(複数プール運営)を行ったため、実質的な分散化にはなっていないのではないか?という声があったため、しばらくK=1000 への移行は見送られ複数プール防止策の(a0パラメータ)改善が検討されていました。

その検討の進捗についてIOG・カルダノ財団からは発表がなく、今回の質問が提示されているため混乱しております。

X-StakePoolでは複数プール運営を行い、皆様からのご委任のお陰でカルダノエコシステムの普及活動にフルコミット出来ているという側面があり、現在の世界情勢や暗号通貨相場状況が続く中でK=1000へ移行した場合、新たなプールを追加せざるを得ない状況になってしまいます。

「分散化のために複数プール運営は控えるべき」というご指摘があることは真摯に受け止めており、私としてもその方向が望ましいと思っております。

ゲーム理論上の自由市場の中で、プロトコルで複数プールを100%禁止することはなかなか難しく、シュミレーションを実施した上で影響のない範囲でオラクルなどでしきい値を設定するなど検討する必要があると考えます。

また、ヴォルテールが実装されMBO(メンバーベース組織)が構築されると活動環境が整うことが予想されますので状況は変わってくるものと考えています。

minPoolCost(固定手数料について)

minPoolCostとは、プールオペレータがプール総報酬から受け取る最低報酬額を決めるもので、現在の340ADAの場合、小規模プールはブロック生成が少ない分、総報酬に対するminPoolCostの割合が高いため委任者様への報酬が少なくなります。

minPoolCostを下げることで小規模プールのROSが改善され、大規模プールと競争ができるという意見はとても理解できます。

しかし、ノード運営のサーバー最低スペックは年々上がっており、世界情勢不安からの物価高騰でサーバーコストも上がってきている中でこの施策で本当に大規模プールとの競争力が可能になり、持続可能なプール運営が出来るのか?という懸念は払拭できません。

カルダノネットワークは日々ノードを管理しネットワークを維持しているSPOの活動があり、初めてブロック生成が行われています。

SPOはノードアップデートやトラブルシューティングを個々で解決できるよう一定のスキルをが求められていますし、プール規模が大きくなればそれ相応のインフラを構築する要件も求められます。その上で分散化していかないと、ネットワークの安定的なパフォーマンスは維持できないと考えます。

そのような条件下において、SPO活動で持続可能な報酬を得ることが出来なければ、分散化どころか退化していくチェーンになりかねないため、世界情勢、暗号通貨相場との兼ね合いも検討していく必要があると感じています。

パラメーター変更についてはこれだけではなく、他にもCIP(カルダノ改善提案)にいくつかの変更案が提出されているため、コミュニティ内で総合的に検討していく余地があると考えています。

今後の流れ

今回の投票は委任者様も参加型となっており、ご自身のステークを同じ考えを持つSPOに再委任(移動)することで意思表明をすることが可能です。(ただし、参加による特別な報酬はございません)

委任者様 再委任手続き期間

414エポック~415エポック終了まで
(2023年5月26日6:45~2023年6月5日6:44)

現在の投票結果は以下のサイトから確認することができます。

以上、X-StakePoolの考えを述べさせて頂きました。
カルダノの技術・開発者コミュニティはとても素晴らしく、今後も全力でコミュニティの活性化および普及活動に専念してまいりたい所存です。

今後とも何卒よろしくお願い致します。

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この記事を書いた人

BTBFのアバター BTBF カルダノSPO

カルダノADAに関する最新情報や技術解説・メタバース・NFT情報をお届けします。#ADA ステークプールオペレータ(バリデータ) X-StakePool運営中。
SPOツール開発や日本最大SPOコミュニティ「SPO JAPAN GUILD」を運営し100名以上のSPOを輩出中。

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